2013年2月20日(水) | by 柏陵ウェブ編集部 コメントする

 柏原高校で7日、2年生の人権ホームルームがあり、同校のシンボルツリー、グラウンドのクスノキの治療にあたっている樹木医の宮田和男さん(72)=朝来市=が「クスノキが語るキミたちへのメッセージ」と題して講演した。治療によりクスノキが以前より元気になっていることを報告し、クスノキにまつわる歴史などを紹介した。内容は次のとおり。
日本で一番古いクスノキは鹿児島の蒲生のクスノキで、樹齢1000年以上。柏原高校のクスノキは、創立と同じ115年なので、そんなに老木ではない。枝が枯れているのは人工的な影響だ。2010年から治療を始めた。

2010年3月のクスノキ

治療を始める前の2010年3月のクスノキの様子。左上の枝が枯れて、こんもりとした樹冠の一部が欠けている

 植物は全て環境条件で変わる。根から水が上がってこなくなると、自ら枝を枯らして木を守る。柏原高のクスノキも、一部の枝が枯れて樹形が変わっている。モノ言わない木だが、無言で形を変え、『こういう形になりましたが、何とか生きようとがんばっています』というメッセージを出している。
 根は生きる力。木が枯れるのは、根っこがおかしいから。「根本」「根幹」というように、大事なものには「根」がつく。クスノキが弱っている原因を知るために、まず土や根の状態を調べた。土壌の硬さを測ると、植物の生育には困難なほど硬くなっていることが分かった。そこで、空気を噴射して土をほぐすエアースコップで根を洗い出し、水がしみ込むように穴を開けて埋め戻した。
 治療を始めてから、葉っぱが増えてすき間が少なくなってきた。それから、木の下に草が生えだした。以前は草も生えないような、植物にとってつらい土だった。
 クスノキは「楠」「樟」どちらを書きますか。昔は「樟」だったが、今は「楠」をよく使う。クスノキの名前は「薬の木」から来たといわれる。クスノキから取れる「樟脳(しょうのう)」は、かつては洋服の防虫剤に利用され、樟脳油は香料や医薬品に使われた。今は化学合成で作られている。ちなみに、みなさんが先日修学旅行に行った台湾はクスノキの産地だ。
 龍野高校のクスノキも115年だ。柏原高校と同じ創立115年で、クスノキも同じように115年を刻んでいる。明治になぜクスノキがあちこちに植えられたのか。薬(樟脳)として使われたのと、日露戦争の戦勝記念として重宝がられたからともいわれる。
 クスノキは常緑樹だが、4月から5月にかけて落葉する。落葉する一時、紅葉もしている。落葉と芽吹き、開花が同時に起こっている。11月ごろには黒い実がなる。柏原高校の校樹として存在するので、四季折々の顔を見せるクスノキを注目して「診て」下さい。

クスノキ201202

今年2月のクスノキの様子。木の下に草が生え、葉っぱが増えてすき間が少なくなっていることが分かる


 柏原高校のクスノキ 第1回生が入学した1897年に種をまいた苗木を、卒業記念樹として1902年に植えたので (当時は柏原尋常中学校で5年制)、高校と同い年。2009年、樹勢が弱っていることが分かり、翌年治療が始まった。2010年に柏陵同窓会が「くすのき基金」を立ち上げて治療費の寄付を集めている。現役高校生も「くすのきボランティア」を生徒会が立ち上げ、写真を撮ったり土壌改良作業に協力している。

丹波新聞より)

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