柏原高校で12月13日、同校卒業生を講師に招き、体験を語ってもらう「ようこそ先輩」が開かれた。1年生200人を前に、1971年度卒業生(24回生)で、愛仁会千船病院(大阪市)総合内科部長の医師、藤田芳正さん(70)が「私のターニングポイントと出会い」と題して講演した。
藤田さんは柏原町大新屋出身。高校時代、勉強の目的がはっきりせず、浪人を経験したが、大阪大学基礎工学部生物工学科に進学した。
転機が訪れたのは大学4年時。障がい者施設でボランティア活動に励んだ際、障がい者と共にまちに繰り出すと、心無い扱いをする人もいたという。「腹が立った。こういう方々を守れる人になりたいと思った」と語った。
弱い立場にある人の味方になりたいと、医師になることを決意。医学部に再入学することを決め、1年間の猛勉強に励んだ。「合格できる保証はなく、勇気が必要だった。でも、この1年間は、人生で勉強が一番楽しかった」と語った。
自身の経験を通じ、「学校の中にいるだけでは情報は得られない。自分の体を使って体験をすることが大事。自分がどういう人間なのか、何を求めて生きていけば一生を充実させることができるかを考えることで、充実感と喜びを求められる」と後輩たちにメッセージを送った。
