柏原高校の魅力向上に向け、今年度、同校や柏陵同窓会、丹波青年会議所などの関係者でつくる「兵庫県立柏原高等学校魅力アップ推進協議会」(会長=稲次一彦校長)が発足した。生徒が多様な人と交流し、学ぶ意欲を高めることを狙う市の高校魅力化支援事業交付金を活用。同校近くのたんば黎明館(柏原町柏原)2階で、自身の関心がある分野を追究する科目「探究」に取り組む学びの場「サードプレイス」を運営する。大学生との交流イベントなども企画する。
探究は、論理的思考力や課題解決能力などを身に付けることを目指す。今年度は「知の探究コース」を「地域科学探究科」に改組。探究の授業は3年間3単位から同7単位に増やした。
サードプレイスは平日放課後に開設。市地域おこし協力隊員、寺戸英二さん(34)=氷上町成松=が常駐し、生徒の探究テーマに応じて企業や地域住民などをつなぐ役割を担う。登下校の電車を待つ間の自主学習の場などとしても利用できる。
丹波の食材を使った宇宙食の開発など、ユニークなテーマも多いという。同協議会は「入り口は丹波だが、出口はグローバル。新たな学科を立ち上げ、特に力を入れている探究活動を定着させていきたい」とする。
初回の交流イベントがこのほど、同館であった。1~3年生計24人が、大阪大学の教員や学生が考案した、リアルな大学生活を体験できるボードゲーム「DAIGAKU~いばら色のキャンパスライフ~」を楽しんだ。
同大の教員や学生がルールを教えた。こまを進めたり、カードを引いたりして進行。「勉学/進学」「バイト」「ソロ活/趣味」など大学で頑張ることを決め、それに応じて資本を得たり、消費したりした。「単位を落とした」といったハプニングにも巻き込まれながら、大学生活の充実度で得点を競った。
ゲームを体験した月尾優来さん(3年・柏原中出身)は「自分のやりたいことと必要な資本にギャップがあった」と話し、榊憂歌さん(同)は「シチュエーションが具体的で、大学生を楽しく想像できた」と笑顔だった。
高校魅力化支援事業交付金の活用は、eスポーツ部を創設した氷上西に次いで2例目。柏原への交付金額は192万円。