2023年10月30日(月) | by 本部サイト編集 コメントする

 柏原高校でこのほど、音楽や栄養学、福祉学、教育学など、各分野で活躍する大学教授らによる29講座を通じ、進路選択の参考にする「進路探究WEEK」が開かれた。1、2年生を中心に受講し、第一線で輝く講師の熱い話に耳を傾けた。
 同校出身で、東京大学大学院理学系研究科教授の平田岳史さん(61)=柏原町出身=による「化学で宇宙をカガクする―銀河の進化から病気の診断まで」と題した講座には、77人が受講した。
 平田さんは、細胞や隕石に含まれる成分を分析し、銀河の誕生と進化を調査したり、その技術を病気のメカニズムを調べる研究に応用したりしていることを伝えた。
 自身の高校時代についても振り返った。東京理科大学に合格したものの、合格通知書に「補欠」と記してあり、合格者全体の成績では下位だったことが分かったという。「僕にとって受験は失敗という思いがあった。受験戦争を勝ち抜いた人と机を並べるのが怖く、大学入学前から1回生の間は勉強に明け暮れた。今の自分があるのは、必死に勉強したこの時の経験。失敗だと思ったことが、長い目で見ると失敗ではなかった」と話し、努力する大切さを伝えた。
 生徒に「何かに打ち込んだ経験はありますか」と問いかけた平田さん。自身の経験を引き合いに、「一つのことに専念することが大事。これができるかどうかが、人生をどれだけ楽しめるかどうかの指標になる」と語りかけていた。

東京大学大学院理学系研究科教授の平田岳史さん
一つのことに専念する大切さを語りかける平田さん

(丹波新聞)

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