新型コロナウイルスの影響で2年遅れ、1年遅れとなる、柏原高校第43回生(平成3年度卒)、第44回生(平成4年度卒)の卒業30周年記念同窓会が5、6の両日、同校柏陵会館で行われた。43回生は卒業生483人中136人が、44回生は同534人中115人が出席し、級友や恩師との再会を喜んだ。学び舎でセレモニーと集合写真の撮影をし、近くの飲食店で懇親会を開いた。
卒業から丸30年の49歳を迎える年に開く同校同窓生の伝統行事。42回生は開催準備をしていたものの開催できず、43回生以降は順延し、開催機会をうかがった。コロナ禍前まで開いていた、ポップアップホールでの祝宴は行わなかった。
43回生の式典は、フリー司会者の早野佳代子さん(氷上町出身、豊中市)が司会を務め、共に市内で地元に根付いた音楽活動を続ける声楽家の吉住直子さん(氷上町)が、ピアノの上月隆子さん(柏原町)の伴奏で、「アメイジンググレイス」などを歌い上げた。
北川哲也実行委員長(柏原町)は、「何度も中止がよぎったが、期待の声や激励で開催できた。33年ぶりの再会を喜び、密な一日に」とあいさつした。
日本体育大学教授の小林正利さん(柏原町出身、横浜市)は、「マスクを外すと顔が分かる。高校生に戻ったよう」と懐かしみ、地元で看護師をしている柿渕由美子さん(春日町)は「久しぶりに会う人も、声で分かる」と晴れやかな表情だった。
44回生の式典は、出席した6人の恩師らが一言ずつあいさつ。大西伸弘・柏陵同窓会長も11組の担任としてマイクを握り、「当時は31歳。短パンをはいて、若気の至りで偉そうなことを言っていたが、一緒に成長させてもらった。高校生活は3年間と短いが、心が動く3年間。今日の会を明日からの活力に変えてほしい」とエールを送った。
現在、同校国語教師の梶村康人さん(春日町)と、書道教室を開いている有田尚子さん(東京都)が恩師へのメッセージを考え、有田さんが色紙にしたためて記念品とした。
また、懇親会は、実行委員の一人、松本真弓さんが女将を務める「喜作」に会場を移し、クラスごとのテーブルで、懐かしの顔ぶれと話に花を咲かせた。
北山登志紀実行委員長(春日町)は、「延期も含め2年がかりの準備になり、苦労はあったが、本当にやれて良かった。ほっとした」と肩の荷を下ろした様子だった。
両日、大西同窓会長があいさつで、43回生の在校時の定員は11学級495人、44回生は12学級540人で、当時の柏原高校は県内一のマンモス高校だったことや、今春の新入生は200人弱にまで減っていることを紹介すると、出席者から驚きの声が漏れ、母校や故郷も少子化の大きな渦の中にいることを実感した様子だった。
来年度は、45、46回生の同窓会が行われ、以後は本来の開催年に戻る予定。