柏原高等女学校では明治37年(1904)、在学生と同窓生の会「松柏会」が創設され、「松柏会誌」を発行した。
焼失するも卒業生が寄付
昭和20年(1945)、女学校の図書館が火災に遭い、貴重な書籍が灰と化したなか、保管されていた松柏会誌も燃えてしまったようだが、その後、同窓生が持っている松柏会誌を提供してもらうよう呼びかけた。その寄付のおかげで、すべてはそろわなかったものの、明治42年発行の第6号を最古に、約25冊が現在、柏陵会館に保管されている。
第6号では、氷上郡立高等女学校の卒業式に関する資料などを収録。そのなかの一つ、兵庫県知事の告示では、「世の中には、労苦にあえいでいる者など、あわれな女子が少なくない。そんななか、高等女学校の業を終えたことに、感謝の念を持つであろう」といった意味のことが記されている。
卒業生総代の答辞も収録。「明日から浮世の大海原に漂い出ますが、お教えを心に、この身のあらんかぎり尽くします」などとある。