熱中症など暑さによる体調の異変に警戒が必要な夏本番を前に、柏原高校で7月２日、全教職員（56人）を対象とした心肺蘇生法講習会が開かれた。胸骨圧迫（心臓マッサージ）のやり方やＡＥＤ（自動体外式除細動器）の操作方法などを体験し、突然の生徒の異変に対し適切な対応ができる技術と心構えを学んだ。
　講師に丹波市消防本部の門内渉さんと、市消防団女性消防分団の西本富子さんを迎えた。門内さんは、「心臓が止まると15秒以内に意識が消失し、３～４分以上その状態が続くと脳の機能回復は困難となる。消防本部から柏原高校までは７～８分かかる。救命の可能性は10％以下となるので、心肺蘇生法の開始は一刻を争う」と説明した。
　教職員らは人形を相手に心肺蘇生法を体験。講師から、「呼吸をしているかどうか、10秒間、胸と腹部の動きを見て確かめる。しゃくりあげるような呼吸『死戦期呼吸』を認める場合は心停止しているので、直ちに胸骨圧迫を開始する」と説明を受けた後、肘をまっすぐに伸ばし、組んだ両手を人形の胸の真ん中に置くと、１分間に100～120回という速いペースで力強く、胸骨圧迫を行った。講師は「絶え間なく続けることが重要。コロナ感染もあるので、人工呼吸がためらわれる場合は、胸骨圧迫だけでよい」などとアドバイスを送っていた。
　保健部長の遠藤郁男教諭（58）は、「救命措置技術の習得だけでなく、緊急事態発生時には、人任せにするのではなく、自分自身が対応するのだ、という心構えも身につけてもらえたのでは」と話していた。

(丹波新聞)