2021年7月26日(月) | by 柏陵ウェブ編集部 コメントする

 柏陵同窓会では、柏原高校を卒業して30年を迎えた学年が、一堂に会する「卒業30周年同窓会」を開くのが伝統になっている。1984年、柏原高校6回生(1954年卒)が開いたのが始まりで以後、毎年開かれているが、昨年、卒業30年を迎えた42回生(1990年卒)は、新型コロナウイルスのため中止を余儀なくされた。連休中の5月3日に開催する予定で準備を進めていたが、あと2カ月ほどになった段階で同日の開催を断念。秋に延期することにしたものの、新型コロナの勢いはやむことがなく、中止に追い込まれた。42回生たちは中止を残念がりながらも、「コロナが収束すれば必ずきっと開く」と、その日を待っている。

元号またいだ学年
 42回生443人は、高校2年のとき、元号が平成になった。そして令和になった今、再会することから、30周年同窓会のスローガンを「昭和から平成をつないだ青春、令和で再会を」とした。
 令和2年の再会に向け、前年の秋から始動した。1学年上の先輩からノウハウを聞き、実行委員長に大槻真也さん(50)=市島町上垣=を選んだ。「高校時代、生徒会長をするなど、自他ともに認めるお調子者でしたが、卒業から30年たっても、みんなからお調子者と見られたようで実行委員長にまつりあげられました」と、苦笑いの大槻さん。
 総務部会、式典部会、祝宴部会、クラス部会と体制を整え、祝宴部会には「学年でスター的存在だった」という氷上町出身の落語家、笑福亭由瓶さんを配し、「同窓会を盛り上げてくれるはず」と期待を寄せた。

秋に延期決めたが
 30周年同窓会の案内を兼ねて同級生たちに年賀状を出し、2月上旬に出欠を問う往復はがきを出した。ところが、その後、世情は新型コロナで騒然となり、返信はがきを締め切った翌日の3月4日の役員会で秋に延期することを決めた。
 その時点で返信は200通近く。欠席が3分の1ほどを占め、卒業生のうち半数以上から返信がなかった。新型コロナのため、出席をためらっている様子がうかがえ、延期決定の後押しとなった。ただ、その段階では役員の間に「暖かくなればコロナは収まるはず。秋になれば、同窓会ができる」という“楽観論”があった。
 しかし、役員らの見込みは外れ、新型コロナの感染が拡大。9月15日に開いた役員会で、延期するか中止するかを検討。その結果、いつ収束するかわからない状況下では、「中止はやむなし」との結論に達した。

実行委員ねぎらう
 同級生たちに中止の旨を伝える案内を出し、「コロナが収束した暁には“大同窓会”を開催します」とも伝えた。すると、同級生たちから「実行委員の皆様には大変な時間と労力をお使いいただき、感謝の気持ちでいっぱいです」「先を見通せない状況が続く中、苦労されたことと思います。ありがとうございました」と、実行委員をねぎらう返事が寄せられ、「大同窓会の案内を楽しみにしています」との期待も寄せられた。
 実行委員長の大槻さんは、「中止になったけれど、タイムマシンに乗って30年前に戻ったような気持ちになりました」と言い、実行委員長補佐の大久保朝之さん(49)=市島町梶原=、事務局を務めた竹内真子さん(49)=氷上町上成松=と共に「必ず大同窓会を開きます。楽しみが先に延びました」と口をそろえた。

柏陵同窓会に30万円寄付 寄付の伝統は守り継ぐ
 実行委員長の大槻さんと事務局の竹内さん、足立昭吾さん(49)=氷上町小谷=の3人が6月3日、柏原高校内の柏陵会館にある同窓会事務局を訪ね、大西伸弘同窓会長に42回生から寄せられた寄付金30万円の目録を手渡した。
 5月3日に予定していた同窓会の会費には寄付金も含んでおり、出席の連絡のあった同窓生はもとより、欠席者からも寄付金の振り込みがあった。中止が決まったあと、会食などに伴う参加費は返金したが、先輩から代々続く30万円の寄付を確保した。
 目録を感謝して受け取った大西会長は、「卒業30周年同窓会は、同級生の絆を深める絶好の機会。開催できなかったのは残念ですが、卒業35年か40年の節目には、ぜひ同窓会を開いてください」と話しかけていた。

(丹波新聞)

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