柏原高校の同窓会「柏陵同窓会」が、1951年の創設から今年で70周年を迎えた。旧制柏原中学校と柏原高等女学校が48年に統合された3年後、柏原中、高等女学校の両同窓会も合併することになり、柏陵同窓会が発足した。柏原高校の卒業生は4万1898人。65年頃には、分校も含めて全日制と定時制を合わせると48学級あり、県下でも有数のマンモス校だった。そんな多数の同窓生を擁する柏陵同窓会の第13代会長に今年5月、選ばれた大西伸弘さんに話を聞いた。
1997年に柏原高校が創立100周年を迎えたとき、私は式典の緞帳係として緞帳の上げ下ろしを担当した。それほどの役柄だったので、柏原高校の教員時代は、同窓会という存在を意識することはなかったが、2014年に校長になり、当時の同窓会長だった谷水克己さんから「母校の発展に同窓会も尽くすから、しっかりやってほしい」と言われ、心強く思うと同時にプレッシャーも感じた。柏高の歴史をつくってきたのは学校だけでなく、同窓会も歴史の形成に大きく関わってきたと思ったものだった。
私は柏原高校在学時、陸上部に入っていたが、校長になったとき、陸上部の先輩方からずいぶん激励された。当時、柏陵同窓会の阪神支部長だった山下文隆さん(12回生)、東海支部長だった畑宏則さん(13回生)は、それぞれの支部の総会のときに「私の後輩です。よろしく」と参加者に紹介してくれた。28回生の私とは年が離れているが、陸上部の後輩として目をかけてくださった。おかげで人脈を広げることができ、ありがたかった。
柏原高校の生徒たちを学習面、運動面ともに立派に育ててほしいとの激励も受け、柏高を卒業してからも後輩である在校生のことを思い続ける母校愛の強さに感心した。
私は13代目の同窓会長になるが、これまでのうち柏原高校の校長を務め、同窓会長も務めたのは第2代の植木孝之助さん、第8代の植田憲雄さんの2人がおられる。植木さんは旧制柏原中学校の校長を1929年から戦後の48年まで務められた人。植田さんも名物校長として知られ、同窓会長時代には柏高の創立100周年事業として同窓会館の「柏陵会館」建設という大事業を成し遂げられた。校長として、会長として実績を残された立派な先輩に続くだけにプレッシャーがかかる。
柏原高校の第2代校長の植杉英之助さんは、柏高の卒業生には、質朴、粘り強さ、気概、真面目などの特質を兼ね備えた人が多いと言われた。これらの特質は今も受け継がれているからこそ、同窓生には多彩な人材がおられるのだと思っている。
同窓会長になった今、以前、谷水さんから言われたように母校の発展に同窓会として尽くしていきたいと考えている。(談)
丹波市青垣町東芦田。1976年、柏原高校卒。1986年から13年間、柏原高校で体育教諭として勤め、2014年、校長に就任。現在、兵庫教育大学客員准教授。63歳。