※4月22日の記事をお届けします。
柏原高校書道部長を務める大地光君(3年、和田中出身)が、「書の甲子園」として親しまれている「第29回国際高校生選抜書展」で入選を果たした。国内外から合わせて1万2171点の応募があり、入賞200点、入選1800点の栄誉。今年2月に大阪市立美術館で展示された。大地君は「出展作品に取り組んだのが昨年夏。暑さに集中力が削がれ、その上、授業の課題も立て込んでいて、気持ちが落ち着かないままに仕上げた作品だっただけに、予期せぬ結果に驚いた」と話している。
入選作品は、中国・宋代の集帖「淳化閣帖」(閣帖)の臨書で、全紙(縦136.3cm、横70cm)に草書でしたためた。アクセントに赤い縦の罫線を引き、白黒の世界に華やかさを添える工夫もした。
顧問の松本修子教諭は、「物おじせずに、さまざまな課題に取り組むチャレンジ精神旺盛な性格。全紙はずんぐりとしたサイズなので、バランスをとるのに苦労するが、落ち着いた雰囲気に仕上げた」と評価している。
大地君の父、正康さんは本業の傍ら、自宅で書道教室を開くほど書に精通している。
「書道には特に興味がなかったけれど」、小学5年生の時、しぶしぶ父親のもとで習字を習い始めた。決められたサイズの紙に決められた書体の文字を書く。中学生までは書道に面白さを見出せずにいたという。
柏原高に進学し、「テニス部に入ろうかと迷ったが、体力的に厳しそう」と、書道部に入部。2年生の夏、松本教諭から、草書による「かな」を勧められ挑戦した。これまでは行書を好んで書いていたが、いつもと違う筆遣いと、大きな紙に文字を崩してしたためる、型にはまらない、ひらがなの自由度の高さに「すごく楽しい」「新しい世界を感じた」。
今年も7月に県選抜書道展、11月に総合文化祭、来年2月には今回入選した国際高校生選抜書展が控えている。「この3タイトル全てで入賞することが目標」と意気込んでいる。