2019年12月05日(木) | by 柏陵ウェブ編集部 コメントする

 カンボジアのパンニャサストラ大学シェムリアップキャンパスで日本語を教える傍ら、カンボジアの教育向上を目指し、ペンやノート、電気がなくても、頭に残る教材開発を行っている。
 柏原高校卒業後、関西大学に進学。卒業旅行で訪れたカンボジアのアキー・ラー地雷博物館で、右足のない少年が松葉杖をつきながらすぐ隣の空き地でサッカーをしていた。「活気のあるアンコール・ワットと、内戦で犠牲になった少年。どちらの現実も目の当たりにし、強い衝撃を受けた」。
 帰国後、関西大大学院に進学。地雷博物館と少年のことが頭に残り、再びカンボジアへ。地雷除去活動を知り、「自分には何ができるだろう」と自問自答。在学中から始めた講演活動に加え、古着、文房具などの物資をカンボジアの小学校に届けた。2007年、来日中のカンボジア国会議員から同議員が学長を務める大学で日本語学科開設と教師の誘いを受け、カンボジアに移住。日本の大学への留学や、シェムリアップ地区での日本語能力試験の実現など実績を積んだ。その過程で、大学生の基礎知識の不足を目の当たりにした。「小さい頃からの学力向上が必須」と思い、09年から初等教育の底上げを図った教材開発を開始。翌年、教育大臣から教材としての承認を得た。
 教材は5、6人で楽しみながら学べる内容。18年からはミャンマーでも教材開発を行い、その効果を実証した。「今後は中東、アフリカでも教材を開発し、皆で楽しく学べる教材『世界教科書』を届けたい。そして、世界の教育水準を底上げし、世の中に貢献していきたい」。
 丹波市春日町下三井庄出身。39歳。

松岡秀司(しゅうじ)さん 〝世界教科書〟作りたい 大学で日本語指導
初等教育の教材開発(カンボジア在住)

(丹波新聞)

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