総合的な学習で台湾について学ぶ柏原高校2年生がこのほど、ジャーナリストで大東文化大学特任教授の野嶋剛さんの講演に耳を傾けた。野嶋さんは、食べ物、音楽、政治など、台湾が大切にしている多文化共生を多方面から紹介した。(令和3年11月25日記事)
中国語、台湾語、客家語、英語、16の先住民族の言葉がある多言語社会で、言葉の背景にある多種多様な文化を尊重、尊敬しているとし、昨年の「レコード大賞」で、人口の2%に満たない、先住民族の歌手が母語で歌った曲が、最優秀賞を獲得した例を示した。
また、30年前から介護人材としてフィリピンやインドネシアから外国人を受け入れており、外国人が暮らしやすいようにルールを整備し、外国人との共生を図っている点も、将来の日本の参考になるとした。
日本が台湾から学ぶことの1つとして、若者の政治参加を挙げた。昨年の台湾総統選の若者投票率は約80%と言われ、若い世代ほど投票率が高いことを紹介。「海外に留学中の学生は投票のために帰省する」とした。
投票率が高い理由を、自分たちの存在理由の土台に民主主義があると考えていること、選挙で世の中を変えてきた実感があること、投票に行かないことが恥ずかしいと思われていることにあるとし、アジアで初めて同性婚を法律で認めたことも、若者が支持したと背景を語った。「台湾は若い世代が多く、若者が選挙に行くので、若者の意見が通る。重視される」とした。