2018年2月27日(火) | by 柏陵ウェブ編集部 コメントする

 1976年に柏原高校を卒業し、昨年から駐モンゴル特命全権大使を務めている高岡正人さん(60)が2日、同校で、卒業生が講義する「ようこそ先輩!!」に登壇。外交官の立場から、「これからさらに世界に向かざるを得ない時代になる」と話し、語学力や、興味や関心の幅を広げることの大切さを説き、女性の活躍などを期待した。
 高岡さんは和田小、中学校出身。東京大学教養学部を卒業後、外務省に入省。駐イラク大使、在シドニー総領事などを務めた。講演では全校生徒や高岡さんの同級生を前に、「グローバル社会を生きていく君たちへ―外交官という仕事から」と題して講演した。
 高校卒業時は理科系だったが、「物理などが難しく、大学の授業で壁にぶち当たった」とし、ジャーナリストを志望、国際関係論を勉強し始めた。「政府を批判するジャーナリストよりも政府の中から関与したい」と、外交官を目指した経緯を話した。

駐モンゴル特命全権大使 高岡正人さん

母校の後輩らに講演する高岡さん=柏原高校で

 英語については、各国でなまりがあるのが一般的なので、日本語なまりでも「相手に思いが通じたらいい。気後れすることなく英語を話してほしい」と話した。
 仕事について、「外交は2カ国間のバイラテラルと、多国間のマルチラテラルがある」とし、バイでは、首相に相手国を訪問してもらう時や、相手国の首相に日本を訪問してもらう時が大きな課題だとし、「共同声明の文章を作るのが大変」と話した。マルチでは、いかに国際的な会議をリードしていくかが課題とし、「いろんな国の考え方をまとめるのは並大抵ではない。自分の考えで会議を進めていけるのがやりがい」と話した。
 「日本はどう見られているか」との生徒からの質問に、▽まじめでおとなしい▽問題を起こさない▽古いものと新しいものが一緒になっている貴重な国▽全体的に教育水準が高い▽技術力が優れている―などの魅力を挙げる一方、大学教育やキャッシュレス化の遅れなどが課題だとした。
 また、海外の人が日本の文化にも精通していることなどを挙げ、コミュニケーション力をつけるために、興味や関心の幅を広げ、いろんな話題を持っておくこと、国際会議の出席者の半分が女性であることなどを挙げ、日本の女性の活躍を願った。

丹波新聞

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