2017年9月29日(金) | by 柏陵ウェブ編集部 コメントする

(9月23日創立120周年記念行事が行われました。こちらは、丹波新聞9月17日の記事です。)
柏原高校の創立120周年を記念し、生徒たちが23日午後1時半から同校の北体育館で、「犬童球渓物語―柏原の空に見た夢」と題した演劇を上演する。3年生16人が演じるほか、コーラス部やギター部も出演し、犬童が作曲した旧制柏原中学校校歌や、犬童が作詞した「旅愁」を披露する。
犬童は明治12年(1879)、熊本県人吉市の生まれ。明治38年、東京音楽学校(現東京芸術大学)を卒業後、音楽科の教師として旧制柏原中に赴任した。当時の校長、平沢金之助が、日露戦争で荒れる生徒の心をやわらげ、情操教育に役立てるため、音楽科を設け、犬童を招いたのだが、生徒たちは「音楽は女子がするもの」として反発。授業中、やじを飛ばし、机をたたくなど、授業を妨害した。犬童は心身ともに疲れ、赴任した年の12月、辞職願を提出。新潟高等女学校に転任した。その後、「更け行く秋の夜」で始まる「旅愁」を作詞、旧制柏原中の校歌をつくった。柏原を去った後も、旧制柏原中を思い続けたと言われている。

柏原高校犬童球渓物語

柏原高校の創立120周年記念事業として上演する演劇の練習に取り組む生徒=柏原高校で

劇の台本は、同校の丹生憲一教諭が書いた。犬童や平沢校長、男子生徒、新潟高等女学校の生徒が登場し、音楽科をめぐる一連の騒動などを演じる。また、旧制柏原中校長として在職中の明治35年に亡くなった大江礒吉校長の功績についてもふれる。
犬童を演じるのは待場啓汰君。普段は物静かだが、話す時には話すという犬童の性格に通じる点が待場君にあるからと、犬童役として丹生教諭にキャスティングされたといい、「この演劇で初めて犬童を知りました。犬童の意志の強さや、柏原を追われながらも校歌をつくった人間性にひかれます」と話している。
新潟高等女学校の生徒を演じる宮垣あやのさんは、「この劇で初めて『旅愁』を知りました。歌詞から、犬童がどれほど苦労したのかが伝わってくるように思います」と話している。演劇上演は、同校の文化発表会の催しのひとつ。同日午前中に120周年記念式典を開催するのに続いて、上演する。

丹波新聞 9月17日記事より)

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